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個人事業準備②補足:特定商取引法と「消費者」

経緯:前回の記事に対して大事な指摘をいただいた。特定商取引法は、消費者の裁判をする権利を保証する目的のものであり、決済代行が取引を仲介することは関係ない、ということである。そのため、特定商取引法のいう消費者とはそもそも何かを軽く調べてみた。→前回の記事

決済代行システムにおける消費者と事業者

上の指摘をもとに、StripeとPayPalの登録手続きの違いが、根本的には何に由来するのかを考えた。手掛かりは、取引相手が消費者であるか否かという点である。Stripeの決済システムでは、そもそも取引相手を限定しない、つまり消費者か事業者かを区別しないのである。一方で、PayPalの決済システムでは、双方ともに"事業者アカウント"間で取引をすれば、事業者間の取引であることが"システム上は"担保される。要するに、取引相手が消費者ではなく事業者に限られるため、特定商取引法の記載は必須ではないのだと推察する。

参考:事業者同士の取引について

実質的な「消費者」「事業者」の曖昧さと事例

しかし、上の話だけでは、PayPalのシステムに依拠して取引相手が事業者である「ということにしたい」感が否めないし、また事業者であることがシステムによって担保されるのか、という疑念も起こる。実際は「事業者」なるものの判断基準は、この国と司法によって時々刻々とアップデートされているのであって、PayPalビジネスアカウントの審査を通った事実がどれくらいその人を「事業者」たらしめるのか、私にはよく分からない。

[ Case 1 ] 事業者対事業者の取引という体裁にするために、個人事業主のみをターゲットにした詐欺が起こった事例である。この事例では、個人事業主の資格を有していても、購入したものがその人の事業に関わっていなければ(つまり個人用・家庭用の使用であれば)その個人事業主は消費者として扱われている。

参考: 東京商工会議所より(1ページ目後半部)

[ Case 2 ] もう一つ、弁護士による考察があった。こちらの考察は、事業の実態がなかった場合に、特定商取引法の対象となる事例である。理屈としては、実態を見ると事業者と認められないから、消去法的に消費者として扱うらしい。

参考:弁護士中野秀俊の法律相談所より

当たり前と言えば当たり前だが、消費者か事業者か曖昧さが残るのならば、その人の行動や実態を質的に捉えて判断するほかないことを、こういった事例が示している。

私の取引相手は「消費者」か「事業者」か

ここでようやく、私の関心事に迫ることができる。私が取引相手として想定するクリエイターの方々は「事業者」なのか?という点である。これについては、消費者庁による逐条解説が役に立った。この情報をもとに考えると、利益の有無に関わらず、継続的に創作活動を行っている人が、創作活動のために取引をするのであれば、問題なく「事業者」と言えそうである。

参考:消費者庁による逐条解説(主に1~3ページ目)

私が受け付けている仕事は2つである。①ウェブサイト制作:これは依頼者の創作活動をアピールする場であり、「創作活動のため」といえる。②ラテン語文章制作:これは依頼者の創作物に補助的に用いられる前提であり、「創作活動のため」といえる。強いて反例を挙げるならば、「書いたものを単に個人的に読みたい」という人は恐らく「消費者」と扱われるのだろう。

おわりに

以上、少し調べて考えてみただけのことなので、事業者視点での恣意的な情報の収集と解釈をしているかもしれない。

てかさぁ、こんなことばっかり書くためにブログを実装したつもりじゃないし、なんか個人事業主の扱い自体微妙だし、あれこれ考えるの疲れたよ…

2025/02/08 14:17

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