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個人事業準備②:ペンネーム(開業届の屋号)で決済代行Stripeを使おうとした

要旨:ペンネームで事業を行うためにStripeを導入しようとしたが、個人情報を守れないことが判ったので導入を断念し、PayPalに変えたという話。そして、これはStripeのシステム側の問題ではなく、特定商取引法という日本の法が原因であった。

決済代行を利用する動機

フリーランスのエンジニアがクラウドソーシングサービスなどを通さず、自分で直接仕事を取る場合、報酬の受取手段を素朴に考えると、即売会のように現金手渡しや銀行口座への振込などを想像するが、これでは身バレが避けられない(2024/12/21の記事参照)し、物理的にも面倒くさい。となると、クレジットカード決済を導入することになり、それに伴って決済を仲介する存在も必要になる。これがStripe, Square, PayPalなどといった決済代行会社である。

特定商取引法の必要性

法には全く明るくないが、端折って説明すると「悪さしやすい事業をやるなら、きっちり事業者情報を公表しいや」という趣旨で、インターネットを介する売買は大抵これに該当する。それなら、Skeb絵師などはどうなってるのかというと、クラウドソーシングサービス(クラウドワークスとか)やコミッションサービス(Skebとか)を提供する会社にさえ個人情報を提供すれば、この会社が仲介して個人情報を管理し、売買の責任も負ってくれるのである。ちなみにSkebは、あのインボイス制度からもクリエイターを守ってくれるらしいよ、すごいね(描けない側の人間より)。

それに引き換え、個人で怪しいサイトを作って怪しい取引を行う可能性がある奴はどうだろう。一個人のやることですから…と役人に乞うてもやる方なし。クラウドワークスやSkebといった組織と同じように、きっちり事業者情報(個人事業主なので個人情報)を公表せねばならない。

まあ、以上の建てつけは理解できる。しかし、Stripeに対して個人情報のみならずマイナンバーカードも事業届も提供し、剰え特定商取引法に従って、サイトに個人情報(実名・住所・電話番号)を晒さないといけないのは、やや腑に落ちない。縦んば悪事を働く奴がいたとして、そのときStripeに然るべき手続きを踏んで情報を要求すれば済む話であって、その他多数の善人に個人情報を載せるリスクを負わせるのはどうなんだろう。

PayPal導入

というわけで、妥協案としてPayPalを導入した。なぜ妥協かというと、Stripeは支払う側の登録が不要だが、PayPalは支払う側も登録が必要なのである。一エンドユーザとして見て、この手間は非常に大きな違いである。…がしかし、一事業主側として見ると、双方がPayPalに登録するおかげで、自分のサイト上に個人情報を晒す義務に縛られずに取引を行えることが判った(それでも特定商取引法に従った情報の記載を推奨はしているが…)。

おわりに

恨みがましくなるので、この段は適当に流してほしいが、個人事業主が「せめてエンドユーザだけには個人情報を秘匿して事業を行いたい」というケースを、この時代にあって想定できないものだろうか。「個人情報を晒してこそ信用を得られるんだ」といったアナクロな主張は個人レベルなら看過できるが、特定商取引法や我が国の誇るインボイス制度にはもうちょっと敏感であってほしかった…

以上が、個人事業主たる自分自身の情報を公にしないための話です。取引を行う当事者間の情報の秘匿についても話したいのですが、PayPalアカウントの仕様など、また話が長くなりそうなので次の記事に回そうと思います。

2025/02/08 追記 こちらの補足も参照願います。

2025/02/04 20:46

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